心臓・循環器 アテローム血栓症

Dr. Mitsugu Hirokami

廣上 貢(ひろかみ みつぐ)医師

勤務病院手稲渓仁会病院 循環器内科副部長

新しい概念
アテローム血栓症に精通

危険因子を知り、生活習慣の改善で予防を

 動脈が狭くなる血管の病気”アテローム血栓症”。あまり耳慣れない言葉だが、脳卒中や心筋梗塞の主な原因とされている。疾患を部位別ではなく、起因別にすると、このアテローム血栓症が死因の多くを占めるとも言われ、日本でも大注目。このアテローム血栓症治療の権威として知られているのが、手稲渓仁会病院の循環器内科副部長を務める廣上貢医師だ。

(撮影日 2012年7月11日)

ドクターへのお問い合わせフォーム

健康を管理し、動脈硬化の 進行をコントロール


 欧米化した食生活などにより、増加傾向にあるのが脳梗塞などの脳動脈疾患、心筋梗塞や狭心症など冠動脈疾患、そして末梢動脈疾患。これらの疾患は、今までは発症部位ごとに分けて考えられていたが、血栓によって血管が詰まるという共通点がある。そこで、これらの全身性の血管性疾患を新しい概念として包括するようになっている。それがアテローム血栓症だ。
世界保健機関(WHO)の統計によると、2002年時点で世界における死亡原因のうち、このアテローム血栓症は24.6%でトップ。がんの12.5%、感染症の14.2%を大きく引き離している。また厚生労働省の統計によると、日本人の死因はがんが1位で、2位が心筋梗塞や狭心症などの心臓病、そして3位が脳卒中(多くは脳梗塞)。しかし部位別ではなく、動脈内で起こるアテローム血栓症を起因とする疾患を一括りにすると、がんの死亡率と同じ、もしくはがんの死亡率を超えてしまう可能性もあるのだ。
ちなみに脳梗塞の発症率などのデータから、アテローム血栓症脳梗塞の年間発症率は人口10万人あたり22.2人と推測されている。廣上貢医師は「高齢者の増加と食生活の欧米化に伴って、危険因子を有する患者が増加傾向にある」と警鐘を鳴らす。

突然の発症を防ぐため、普段からの予防が重要

アテローム血栓症の原因は血管の動脈硬化。つまり、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が深く関わり、動脈の内側に動脈硬化性プラークとして沈着していくことで血栓を作る。無症状で進行して脳梗塞や心筋梗塞などとして突然発症するため、普段からの予防が重要だ。
予防するには、高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)の改善が欠かせない。廣上医師は「毎日の食生活に気をつけ、運動不足にならないように自分自身で健康管理をすること。また喫煙は厳禁。肥満を解消する努力が不可欠」と教えてくれた。
また「糖尿病や高脂血症などを伴っている場合には薬物療法を受け、動脈硬化の進行を食い止めるなどコントロールしなければならない」(廣上医師)とのことだ。

再発および合併のリスクが高い

しかしアテローム血栓症が怖いのは、いったん治っても別の臓器で再発するケースが多いことだ。海外のデータでは、脳動脈疾患を持った患者の56%で冠動脈疾患を合併し、28%に抹消動脈疾患を合併する。しかも再発率は高く、より症状が重くなる傾向もある。アテローム血栓症は新しい概念なだけに的確な診断と治療が欠かせない。
廣上医師の勤務する手稲渓仁会病院循環器内科は7人の医師で構成され、特に心臓カテーテル検査、冠動脈インターベンション、末梢血管インターベンション(下肢動脈、腎動脈)においては、高難度の症例をこなせる実力を維持している。中でも廣上医師は、1992年から同病院循環器内科に勤務し、2006年から副部長を務める。虚血性心疾患の診断と冠動脈インターベンション、抹消動脈疾患に対する抹消動脈インターベンションを専門とし、アテローム血栓症にも精通している。「一度心筋梗塞を起こすと数年以内に再発し、しかも合併症のリスクもある。心臓だけではなく、全身的な改善が必要だ」と廣上医師は語る。

(更新日 2022年2月1日 )

ドクターの略歴、活動内容

廣上 貢(ひろかみ みつぐ) /1957年生

プロフィール
1983年
北海道大学医学部卒業
1983〜
1990年
医療法人社団延山会 北成病院 勤務
1987〜
1988年
榊原記念病院にて循環器病学研修
1990〜
1992年
医療法人翰林会 稲積公園病院 循環器科勤務
1992年〜
医療法人渓仁会 手稲渓仁会病院 循環器科勤務
(2006年6月から循環器科副部長)

手稲渓仁会病院

〒006-8555
札幌市手稲区前田1条12丁目1-40

ドクターへのお問い合わせフォーム

ドクターへのお問い合わせフォーム

廣上 貢先生へお問い合わせ内容をお届けいたします。

お名前
メールアドレス
お問い合わせ内容